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お菓子をめぐる物語

第5回
湿粉製棹物『月夜の虎』

2022年は、12年に一度の「寅」の年。寅年にちなみ、虎をモチーフにした羊羹を春・夏・秋の季節に合わせて、販売いたします。

最後となる第三弾は、9月発売の湿粉製棹物『月夜の虎』。
湿粉製棹物とは、裏ごししたそぼろ餡で羊羹をはさみ、蒸しあげた棹菓子のこと。『月夜の虎』は、黒砂糖入の小倉羊羹を、そぼろ状にした黄と黒の餡で挟み、おつくりしました。小倉羊羹はふけゆく夜の静けさを、黄と黒のそぼろは、月光に照らされ、一段と美しく神々しく見える虎を思わせる、情緒あふれる意匠です。

虎を表す黄色と黒のそぼろは、餡と米粉を混ぜてもみこんだ生地を、一色ずつこし網で漉してつくっていきます。

細い箸を使い、二色のそぼろをバランスよく混ぜ合わせます。この時、塊にならないよう繊細な力加減で空気をまとわせるように混ぜることで、そぼろの程よい硬さを感じつつも、口に含むとほろりと崩れる、湿粉製棹物ならではの食感がつくられます。

そぼろが混ざったら、金枠に敷いていきます。黒砂糖入りの小倉羊羹を重ね、その上に再びそぼろを載せて押し固め、蒸しあげて完成です。
黒砂糖入の小倉羊羹を使った湿粉製棹物は、当店では初めておつくりしました。使用している黒砂糖は、定番の煉羊羹のひとつ、『おもかげ』と同じ、沖縄県西表島産のものです。丸みのあるやさしい甘さが特徴で、そぼろの柔らかさと調和して、趣のある味わいを生み出します。

秋は月がきれいに見える季節。『月夜の虎』とともに月を愛でながら、静かなお月見はいかがでしょうか。

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